茂上工芸
contents

●創業


 創業、大正元年(1912)。 江戸家具(地物)を得意とする指物師、富村長松氏に師事した茂上兵次郎によって創立される。

 兵次郎は、製作の傍ら、多くの弟子を育て上げた。第二次世界大戦中には、職人の命であるカンナやノミなどの道具類を土管の中に隠して守り抜いた。その一部は、「江戸東京博物館」の展示室『独身指物職人の部屋』に見ることができる。

 昭和20年(1940)、東京大空襲により、兵次郎死亡。茂上工芸も壊滅的な被害を強いられるが、奇跡的に生き残った息子、豊二郎が修行を続け、跡を受け継ぎ、再建した。その後、豊二郎は同業者たちと協同して「江戸指物協同組合」を立ち上げ、『江戸指物』が『国の伝統工芸品』の指定を受ける道を作るなど、江戸手工業文化の伝承と産業発展に大きく寄与した。

 平成7年(1995)より、豊二郎の長男、豊が三代目を引き継ぎ、昔ながらの「江戸前」、「江戸の粋」を守り続けている。

写真A

●江戸東京博物館 江戸ゾーン:棟割長屋『独身指物職人の部屋』
○内部の作りを指導。家伝来であった茂上兵次郎らの道具類を寄贈。

●モア美術館
○敷地内ブロンズ指導標、原型製作
●茶室「一白庵」内部と家具・茶道具製作