茂上工芸
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●二代目茂上豊二郎とその功績


 昭和15年先代に師事し、江戸時代から伝えられている指物の技術技法を受け継ぎ、平成7年引退まで、一筋に技術技法を極めることに心血を注いだ。
業界に関する功績としては、『江戸指物』存続のため江戸指物協同組合の設立に奔走し、東京都伝統工芸品の指定を得るに至った。その後、『江戸指物』は国の『伝統工芸品』の指定も受けた。
また、豊二郎は指物従事者が減少していることを憂い、12人の子弟を育て上げた。いずれも現在第一線で活躍している。東京都の伝統工芸品産業復興のために、記録収録の際には『江戸指物』を代表して出演し、伝統的技術や技法を惜しみなく披露してきた。
(黄綬褒章受賞のための『功績調書』より抜粋)

●得意とする技法

茂上豊二郎写真

『時代色付法(加工法)』

茶道や華道に使用する指物に対し、木材に砂をつけて磨き、表面を荒くし木材の持つ木目を浮かび上がらせて、「わび」「さび」の感じをもたせる。また、火力を用いて薄く焼いて、ブラシなどをかけて木目を浮き上がらせて「時代もの」の感じを作る方法も得意としている。

『留型隠蟻組ほぞ(とめがたかくしありくみほぞ)』

平成6年(1994)黄綬褒章受賞

受賞理由
『多年家具製作作業に従事し、常に技術の向上に努めるとともに後進の指導に尽力した。まことに業務に精励し、衆民の模範である。よって褒章条例により黄綬褒章を賜ってその善行を表彰せられた。』
[黄綬褒章]
業務に精励して人々の模範たるべき者に与えられる褒賞。黄色の綬で佩用。

茂上豊二郎経歴

二代目「茂上 豊二郎」の江戸指物作成の様子が動画で紹介されています。